前後ボタン

こんにちは!

先日のクイズの答えですが「chika」さんの回答のように、フォーマルシャツ、ウィングカラーなどのドレスシャツは昔は衿の部分が着脱式になっていました。その衿をボディにくっつける為にこのボタンを使用しました。衿の前に付けるものと、後ろに付けるものは形状が違います。

写真は以前に金港堂のサイトでご紹介したことがあるのですが、その取り付けるカラーを入れるための革製のケースです。昔の人は替え衿をこのケースに入れて持ち運びしたのでしょうか?


何故、このボタンの紹介になったかと言いますと、当店にお客様としてファッションのマーケティングを勉強されているという学生の方がご来店され、映画のあるシーンで役者が着用していたワイシャツを見て、それと同じものを作って欲しいとのことでした。何度かご来店を頂いたのですが、なかなかそのワイシャツのイメージがつかめず、お客様は映画のそのシーンを携帯のカメラで撮って当店にご来店頂きました。その前のご来店時に前後ボタンの話をしていたのですが、それかどうかお客様も判断がつかず、もう一度映画を見直すと私がご説明させて頂いた仕様に間違いがないということでした。ただ映画のシーンではウィングカラーではなくてレギュラーカラーだそうですが。


通常は前と後ろはこのボタンでとまっているのですが、映画のシーンではその前のボタンを外して衿が浮いた状態で着用していたとのこと、そういう着方をしたいとのことでした。やはり若い方の発想は違います。新たなファッションが生まれるかもしれません。既存のファッションもヨーロッパの貴族が通常と違う着こなしをして、それが後で流行となり今では流行ではなく基本の着方になっているということもあります。昔はスラックスの真ん中の折り目も付けずに履くのが当たり前で折り目を付けてはいたのがその時には斬新で、今は逆に折り目があるのが当たり前となっていると例があります。

そんなことがあったので、昔のものを掘り起こすことも一つの流行を作ることになると思った次第です。これが流行になるかどうかは別ですが。特にこの時代は流行よりも個性の時代。個性を作っていかないと新しいものも生まれない。おじさんも感性を磨かないとついていけないかもしれませんね(笑)