ファーストリテイリング

こんにちは!

ファーストリテイリング、ユニクロ。

今日の日経流通新聞に玉塚社長の退任と柳井会長の社長復帰、そして今までのユニクロの戦略が載っていました。

ファッションは素材とデザインとシルエットで構成されていると思います。そして他の商材よりもポイント的に高いのはブランドイメージ。

ユニクロは安物を着ているイメージというかブランドイメージになってきたので、ブランドネームを隠したり、ユニクロと分からない商品作りをやってきていたと思います。まぁインナーとして低価格で高品質のものを着るというのはある意味ファッション感覚の高い人でも使う手ではありますから、無地のカシミヤなどはシンプルなもので同じ値段で普通のウールを着るよりはユニクロでもカシミヤならいいわ。と思ったのでしょうけど。

この夏のユニクロの一押しの素材の一つが「GIZA45」皆さんご存知でしょうか?「GIZA」というのはエジプト綿でしかも「GIZA45」と言うのはそのエジプト綿でも最高ランクの素材自体も少ない希少価値のものといわれています。実際当店のワイシャツのオーダーで140番手クラスのものはこの「GIZA45」を使用しているものが多いのですが。

この素材を導入するにあたり、われわれファッションを仕事としているものは驚いたと思うのですが、カシミヤやフリースほど一般消費者にインパクトがなかったようです。

最近ユニクロを覗くことがあったのですが、速乾性、発汗性のあるポリエステル素材のTシャツというかスポーツウェアが大量に並んでおりました。恐らくナイキで使用している素材と一緒かほぼ同等の素材でないかと思います。

ちなみにナイキは価格が倍です。ユニクロのこの商品のマーケティングがスポーツをする人だとしたら・・・いや一般の人がタウン着として着るにはどうかと思うような商品だったのでそう思うのですが。いまやスポーツクラブもお洒落を見せるとこであります。

別に泳いだり走ったりする競技だけではなく全英オープンで優勝したタイガーもナイキを使用していますし、先日のウィンブルドンでもナイキのウェアを着ている選手がもの凄く多かったのを思い出します。あのタイガーが着ている同じブランドの商品を5000円以内で着れるのですから、同じ素材感であっても大量に陳列されている1500円のものをスポーツクラブで着る人はいませんよね。まぁ倍の価格で売るためにナイキはスポンサー料を何億も払っているのでしょうけど。

特にゴルフボールにあのナイキのブランドマークが入っているのはすげーなーって単純に驚いたりもします。

すみません、話が横にそれましたが、日系流通新聞によりますと、このユニクロの戦略は商品開発が素材に依存していたということが載っておりました。まさに、ヒット商品は素材名であります。素材には限度があります。むしろ素材は当たり前であって、スタイルとかデザイン、シルエットがウェアとしての価値観だと思います。

こういうことも載っておりました。定番商品のチノパンが失速した。若い男性客が太目のデザインを嫌ったためだ・・・これは当店でもそうですが、当店の場合はシニアのお客様が多く、最近のシルエットも大変言葉は悪いのですが、お客様に教育しながら販売していくという方法をとるようにしています。

私が今年作ったDM「ダブダブも流行ればピチピチも流行る」シルエットが細めになってきているのをお客様にお伝えするといった形です。オールエイジを対象とするユニクロにとってはそこが中途半端なシルエットになって販売の落ち込みになったのだと思います。

当店でも今年はあえてピチピチのイタリー製の綿パンを導入しまして、お客様に伝えながら販売をしております。(思うようにはいっていませんが)ただ売れる売れないは別としてそういう流れであるということをお客様に知ってもらう必要があるからです。それをしなかったらずーっと古いものを売り続けなくてはいけないからです。

ユニクロの場合はそれをオールエイジを対象にした為に中途半端なものづくりとなったということなのでしょう。もっと極端に言えば置いてあれば売れる商品作りとなります。

素材=ヒット商品 この図式を壊していくことがこれからのユニクロということになるようです。

さて、当店は・・・人のことは良く分かるといいますが、やはりワイシャツが勝負。それは顧客の満足を最大限に引き出せる商材だからです。デザインも含めるとオーダーというのは世界に一つしかないものだからです。そして今年はカシミヤや革製品なども他店には置いてないような高級素材、デザインのものを仕入れております。この秋の金港堂にご期待下さい。