こんにちは!
以前に御紹介をしておきながら中途半端になっておりましたオーダーワイシャツの行程ですが、今回その全てを御紹介します。以前は行程(7)までいっておりましたので、今回は(8)から。
8)刺繍入れ
イニシャルやフルネーム等を生地に刺繍をします。薄い生地に刺繍を施す為、生地裏に薄い芯を貼り付け固定します。刺繍を入れる箇所(今回の場合、前身頃の胸の位置)に枠をはめ、コンピューター刺繍ミシンにより好きな文字、色で刺繍をいれます。
9)ヨーク付け、肩付け、袖付け、脇巻き、裾三巻
アイロンで縫い代が折られた各パーツはヨークと後身頃→それと前身頃→袖→脇→裾を巻く の順序で繋ぎ合わされます。各パーツを繋ぐ作業は専用のアタッチメント(袖付用、脇二つ巻き、裾三巻)により縫い合わされます。袖付け等はくりが正反対なため、これも熟練した技術を要します。ヨークの柄と袖の柄をきっちり合わせます。
10)衿付け
全て身頃が繋ぎ合わされまとめ上げられたら、作製した衿と身頃を取り付けます。身頃のくりと衿を4分割して印を付け、それを一ミリもずれないように正確に繋ぎ合せます。縫う時にこの4分の1がずれてしまうと、ネクタイをした時に衿が全体に傾いてしまうので注意します。衿はシャツの顔の部分なので、シャツを縫う作業で一番難関の作業で、一番大切なパートです。
11)カフス付け
後はカフスを取り付けて完成です。両用カフス(釦、カフス釦どちらでも留められる)、シングルカフス(釦のみ留められる)では取り付け方法が違うので、これも伝票を見ながら注意して付けます。袖のプリーツは基本的には2本取りますが、ご要望に合わせて1本(タイトなタイプ)3本(ゆったりタイプ)などデザイン通りに袖にカフスをはめ込めていきます。
12)穴かがリ
完成したシャツの衿、カフス、上身頃に穴を掛がって行きます。これも専用のミシンを使います。縁取るように縫っていき、その中心にメスで切れ目を入れる一連の作業を一瞬で行うミシンです。最近では色を変えたりする事が多くなってきました。
13)仕上げ
最後の工程です。穴がかがられ、釦が付けられたシャツは10ポンドある仕上げ用アイロン(クリーニング屋さんでも使われているアイロン)で、工業用の噴霧器で霧水を掛けながら丁寧にしわを伸ばしてたたんでいきます。衿、カフスはプレスが施されているので、袖→後身頃(プリーツがある場合は下まで綺麗に折り目をつけます)→ヨーク→前身頃→もう一度後身頃という順番でアイロンが掛けられ、専用の台紙が当てられクリップで折りたためば完成です。この場合アイロンの温度は180℃位で掛けられます。
以上の行程で最終的に出来上がったシャツがこちらです。
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