良いものは長持ちするとお思いでしょうが・・・?

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70年以上も商売をやっておりますと、昔からご利用頂いておりますお客様、そしてかつて当店でシャツをオーダーしたり、ご購入を頂いたりしたお客様。色々な方々がお客様としてお見えになって頂きます。

また商店街の様子も私が子供だった時とは随分様変わりを致しまして、お店の変化も激しいのは間違いないかと思います。ご年配の方は店の前を通って「金港堂って昔からあるよね・・・」と言って頂いたり、先日などは「景気も良くないのによ~がんばっとる!」とお店の中に入ってきて励まされたりも致します(笑)

中には「金港堂で30年前に作ったシャツまだ着れるわ。丈夫に作ってある」と仰って頂いたり。

そこで、果たして金港堂で作ったシャツが丈夫であるかどうか?

縫製は変わらないと思います。ただ30年前いやそれ以上も前は高級番手と呼ばれる生地が60番手であったり80番であったり、今よりもシャツ生地の生産技術も劣っていたかと思います。劣っていたと言いますか、現在はより進歩した訳で、当店の生地のページにもありますように、今では140番や160番、それ以上の生地のものもあります。所謂技術が進歩してどんどん細くて繊細な生地が出てくるようになった訳ですね。

高価なものが良いものであるという前提でお話をすると、またシャツ生地においては良いもの=生地の番手の細いものとすると、細いものは高価でありますから、高価なものは必然的に糸も細いものを使用している訳であります。当然細いものは繊細で扱いも慎重なものになります。耐久性は逆に落ちますが、その代わりに色の表現力や艶、そして光沢があります。

よってメンテナンスも長く着る大事な要素となってきます。クリーニング代も馬鹿になりませんが、一番いいのはご自宅で洗ったりするのが長持ちの秘訣である訳です。時々お客様がお持ちになるシャツで、「縮みもないですし、いたみも少ないですね」とお話をさせていただくと「自分で洗ってます」と答えられる方もいらっしゃいます。

後20年経って、「昔金港堂で買ったシャツ20年経った今でも着ることができるわ」と仰って頂けるかどうか?オーダーシャツに関しては疑問であります。大事にメンテナンスを頂いてそしていくつものシャツを交互に着て頂く、細い番手のシャツには必要なことなのかも知れません。

当店で30年以上使っている椅子です。ゴブラン織りの生地の部分は一度張り替えてもらいました。布はやはり使用年数が多ければ当然駄目になってきますが、もともとの作りは優れていますから、張り替えることによって長持ちもします。

当店のシャツも衿とカフスは駄目になれば白の生地を付けてクレリックシャツにすることによって生き返りもします。メンテナンスがきくというのもこの椅子のように長く着れる、長く座れる要素の一つかと思います。


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