完走記念セール継続中 秋物の起毛素材もアップしました。 能登半島珠洲ウルトラマラソン完走記(その7)

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【能登半島珠洲ウルトラマラソン完走記(その7)】

もう書き始めて1週間です。本当に終わるのか?

70キロの通過タイムが7時間42分31秒。73キロ地点のエイドでかなりゆっくりしたので、かなり遅れます。75キロを過ぎると残り距離が表示されていました。

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残念ながらここでランニングウォッチを押すのを忘れ通過タイムが分かりません。さてここからが最後の山場。25キロと言えばハーフ以上の距離なのですが、100キロにとってはあと僅かにすら感じます。


ただ、この時点で走っている時間が8時間を超えていますので、仕事だったら既に残業時間。確かに食事の時間は仕事であれば抜かなくてはいけないかも知れませんが、立って御飯食べてるわけですからず~っと仕事をしているような感じ。


気持ちを新たに足を進めます。もうこの辺からは顔はニヤケっぱなし。苦しいのは苦しいのですが、先が見えてきたことと75キロを走ってきたことの自信でしょうか。またこの辺りだったと思いますがサイドカーを付けたハーレーでツーリングする一団があの独特な音を立てて右前方から進んできます。私が手を振ると何人かが私の方を向いて手を振り返してくれます。そんな些細なことも嬉しく感じてきます。


この辺りから身体の異常を足じゃないところに感じてきます。肘から手先まで痺れてくるのです。考えてみればこれだけ長い間腕を振り続けたことがありません。手を振らないように下に下げてできるだけ負担のかからない状態で走ります。


raketto.jpg


このウルトラマラソン最大の難関ラケット道路です。約78キロ地点。写真でご覧になられるでしょうか。前に二人ほど走ってます。いや多分歩いているのだと思います。この辺りから私の周りのランナーは歩きが入ってきました。特に急坂ではみなさん歩いてます。


前にも書きましたが私の今回の目的は完走。歩いたらいけないのです。逆にこの時点で歩くのが怖かった一旦歩くとまた歩いてしまうのではないか、それが癖になり最後まで辿り着かないのではないか走り続ければいつかはゴールに着きます。


ラケット道路の頂上は遥か向こうに見えます。


この辺りで30番台のランナーそして10番台のランナーと一緒になります大先輩としばらく抜きつ抜かれつ。ここでそのランナーに聞きました。上り坂は歩いた方がいいのですかね?その方が負担が少ないとかあるのですか?するとこっちを向いて笑顔で答えてくれます。走れるのであれば走った方がいいよ。私は練習不足で走れないから歩いているだけ。練習不足って・・・練習不足でここまで走ってこれますかね?流石先輩。


ラケット道路の中でもアップダウンがありました。10番台のランナーがたまたま工事をやっていたので警備の人に聞いてました。頂上まだ?って。聞きたくもなります。歩いているそのランナーの横を走って抜くと。元気だね~と声をかけてくれました。いえ歩いているか走っているか分からないようなスピードですが。と笑いながら答えます。いや歩いている私を抜いていくくらいだから走っているのだよ。と言われます。逆にこれくらいの会話ができるくらいのゆったりペース。


何とか上り切って見えた景色は素晴らしいものでした。

海

上がってきて良かった。能登半島の先端です。まさに絶景。はるばるここまで来たものです。79キロ地点のエイドを過ぎてゴールまでのエイドもあとあと5箇所。もう直ぐだ。でもまだ21キロハーフの距離を残してます。ここまでくるとさすがにラップは落ちます。エイドで温かく迎えて本当にエイドでしばらくいたい。エイドの皆さんとの会話が楽しい。辛いからエイドにいるのではなく楽しいからどうしても長居したくなります。


80キロのラップを見るとかなり落ちていました。9時間27分50秒。70キロから80キロの間は45分かかってます。エイドで10分くらいいたのじゃないでしょうか?


最大の難関も過ぎて85キロ。このラップは10時間18分18秒。残り15キロ。12時間を切ろうと思えば切れるかも?と思いました。急ごうと思ったところ。こっち上がって下さい。チェックポイントは上の灯台です。と言われ聞いてはいたけどここを上がるのか?という急坂。

坂

普通に観光客も通っているし、しかも急坂過ぎて手すりまで付いているし。ここは申し訳ありません。初めて歩きました。というか走れる場所ではありませんでした。


頂上に到着すると。

nosiro_toudai.jpg

この灯台を一周するとチェックしてくれます。「131番通過しました」と伝えて坂を降ります。途中で普通に観光客の方と会話。うちの親戚がサロマ湖のウルトラマラソンを2回走ったけど両方とも棄権したと聞いたわ。あなたは頑張ってね。と。


坂を降りエイドに戻りアミノバリューを頂き、ここのエイドの名物?の能登丼を頂きます。温かい山菜ご飯でした有難い。発泡スチロールで蓋をしてしっかりと保温してくれてました。心遣いに本当に感謝。このチェックポイントは罰ゲームにしか思えないわ。と会話しながら、行き帰り2度のエイドを楽しみ。さて残り15キロ。もう少し。


この辺りだったと思うのですが、そろそろ記憶もあやふやになっている場所で、右に女性が二人たっています。ちょっとした箱に缶コーヒーを何本か置いて応援してくれています。私も手を上げて有り難うと答えると。コーヒーどうですか?と。有難かった。カフェイン抜きで走っていて一番飲みたいのがコーヒーだった。お礼を言って一缶頂きます。ご丁寧に紙コップまで用意されてました。実はコーヒの売れ行きが悪かったそうです。皆さんコーラないの?と言うのです。私設エイドに文句付けるランナーもいるのですね。可哀想に。美味しくコーヒーを飲む私に喜んで頂けました。丁寧に再度お礼を言いその場を去りました。


ここから先更に峠が続きます。疲れきった身体には100メートル上るにもまるで登山のようでした。頂上まで何とかたどり着くと90キロ地点のエイド。ここまで来るとエイド毎に座っているランナーもいます。ランナーの一人がこれは坂じゃなくて登山だよね。と。まさに疲労しきった身体そして脚にとっては舗装路であっても登山に思えます。頂上にエイドがあった気がするのですが、公式のエイド表にはありませんね。私設だったのか?それとも私の頭がこの辺りでおかしくなったのか?


さて、残り10キロ。90キロ通過のタイムが10時間55分25秒。絶対に無理なのに12時間切れるのではないか?と勘違いというかもう計算すらできなくなってきてます。ここから更に5キロアップダウンが続きます。もうこの辺りでは上りを走っているランナーはいません。上りは歩いて下りは走る。10キロ過ぎて直ぐにエイドがありました。おそらく私設エイドです。コーラがテーブルの上にありましたので、コーラーいいですか?と尋ね一杯頂きました。ここまで来ると炭酸が多少きつくてもうまい。元気が出てきたことを伝えると。そんなに喜んで貰えるならもっと買っておけば良かったね。っておばあちゃん(失礼)が顔をくしゃくしゃにして笑ってくれます。


私は歩かないと決めていましたので、上りもとにかく痺れる腕を振って前に進みます。歩いているランナーを交わしていく訳なのですが、上り終えると今まで歩いていたランナーが急に走り出します。しかもかなり早いスピード。私は逆に下りになると足に痛みを感じて飛ばせません。ここからは私よりもゼッケンの若い(私よりも年齢の高い)ランナーの経験が有利なのかせっかく上りで抜いても下りでどんどん抜かれていきます。


ここで見つけました。ディズニーキャラクターの女性ランナー。どこかのエイドで休んでいるうちに抜かれたのでしょう。なんだかこのランナーには負けたくない。と今回初めての闘争心。上りを歩いているのは何度かのアップダウンで気がついていました。上りで交わして下りで追いつけないように頑張るしかない。ちょっと長めの上り坂で頑張って走ってある程度距離を離してから下りも頑張ります。足音が近づいてこないか?が心配。アップダウンを2回ほど繰り返してどうやら振り切ったようです。


ラップが怪しいのですが、頭の中の計算では95キロ地点を計算通りのラップで到着すれば12時間切れる。なんでここに来てタイムを気に出したのか?残り5キロのエイドに到着してあと5キロというと。おそらくボランティアの学生だと思います。いいえ95キロ地点はここから更に80メートル行ったところです。と言われました。ここで諦めました。アミノバリューをテーブルにポンと置いて「もういいわ」と言ってしまいました。決して彼に言ったのではなく自分に言ったつもりだったのですが、聞きようによっては彼に言ったようにも思えたかも。しっかりとボランティアをやってくれていた皆さんに申し訳ない。この一言がこのレースで心にひっかかている一言なのです。あなたに言ったのではないし本当に申し訳ありませんでした。お詫び致します。


95キロのラップが11時間31分02秒。


さて、残り5キロ。ここからは経験がものを言うのでしょう。私よりも若い番号を付けたランナーに下り坂でことごとく抜かれます。経験じゃないかな?もう私の脚が終わっているのかも知れません。

この辺りで山に沈む夕陽が美しく思わず止まってiPhoneのカメラを向けました。

suzu_yuuyake.jpg

朝まだ日が上がる前から走り始め朝日を眺め、そして夕陽が落ちるまでのなんと贅沢な旅もそろそろ終わりを告げようとしております。

残りの5キロからは1キロ1キロ表記されます。ラスト5キロ通過タイムが11時間24分27秒。5キロを35分で走れれば12時間切り。無理です。


残り4キロのラップが11時31分02秒。


残り3キロのラップが11時39分23秒。


残り2キロのラップが11時47分23秒もう満面の笑顔で走っていたと思います。完走できそうな喜びで顔が勝手に笑顔になっていくのです。普通の笑顔ではないと思います涙も一緒でぐちゃぐちゃな笑顔です。沿道の人からも拍手や頑張っての声を頂きます。自転車に乗っている中学生からも。本当に幸せを感ずる時でした。ラストのエイド手前で40番台のランナーと出会います。「私のガーミンはもう100キロ行ってるのだけどな」と言われて信号を渡り最後のエイドに入ります。まさに最後のアミノバリューをいただき、それでも急いでいたので、コップを投げるように出たのでテーブルから落ちたのを詫びて走り始めます。私を抜いたランナーを追いかけますがついていけません。


ここで現在午後23時24分。レースの時間じゃないですよ。ブログを書いている時間ですが、このままラストシーンに行くには時間が足りない。今日には終わりそうもないので、クライマックスは明日にとっておいて今日はこれくらいにしておきます。

あ~1週間かかった。お付き合い有難うございます。

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