クリスマスイブ・イブです。皆様休日の夜いかがお過ごしですか？
「流行」
この業界に入って３０年。入った当時は１０年で一回りすると先輩に言われましたが、１０年経っても一回りすることがなく、流行は変わっていきます。３０年前から全く同じものがまた戻ってくることはありませんでした。大学を卒業して最初に勤めたのがトラッドショップ。デザイナーズブランド全盛期に、トラッドショップに入りましたから、セールストークは「トラディショナルな服を買っておけば何年も着れる」実際に若い時はそう思っていましたから。ところが３０年前の服なんて、例え新品でも着ることはできません。着用できるかできないか？という意味では袖を通すことはできると思いますが、何しろ形が古い。シルエットも違う。パットの厚みも違うし、もっと違うと言ったら恐らくは軽さが違う。
ジャケットであれば、衿とボタンが付いていれば、それでいいじゃないか。というレベルでしたら、着用することは可能ですが、今着ていておかしくないか？と言われれば、いくらその当時高価なものであっても、量販店の今店頭に並んでいるものを着た方がカッコいいでしょう。
もう一つの「流行」
ファッション全体ではなく、ブランドの流行。「りゅうこう」と「はやり」いわゆる流行ってしまったが上に無くなってしまったブランド。というのも数限りなくあります。例えば「ルイ・ビィトン」や「シャネル」などのブランドは押しも押されもせぬブランドだと思いますが、一度グッチは衰退した時期がありましたが、バンブー（取っ手が竹でできている）デザインのアイテムを出してから復活したり、大きなブランドでも流れはあります。それ以外に時計や、パンツメーカー、シャツなど、誰もがそれを着てしまった為に忘れ去られたブランドもあります。
なかなか本質的に良いものか悪いものか見極める目を持った人は少ないと思いますので、流行らせることが売上を作ることになるのですが、流行り過ぎた為になくなってしまったブランドも少なくありません。そこをどうコントロールして、そのブランドを維持していくか？というのがとても難しいのがこのビジネスなんだと思います。ただ本当に良いものを作っていたのに、なくなってしまったブランドも少なくありません。流行に乗らなければもっと長く良いものを作っていたのに。と残念なブランドもありますから。
本当に良い商品が流行ってしまった為になくなってしまった。本当に良いものだと残るだろ。と思われるかと思いますが、流行った時に大量にものを作ったが為にダメになるというのは、ファッション以外でもよくある話しでございます。
ずっと残っていくブランドを育てるというのは、本当に難しいことなんだと思います。
とそんなことを思ってしまいました。
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