(3)からの続きです。
走っている最中でもランナーに千光寺の坂がきついとは聞いていたのですが。
真っ直ぐ走っていて右に曲がった途端に急な坂が。ボランティアの人に「これからが千光寺に上る坂ですか?」と聞くと「そう、頑張って」と。
少し上ったところで、前に二人のランナーが。
ん?何か話している。
と思って割り込みました(笑)
何の話かというと、たまたま前の二人のランナーもONのCloudMonsterを履いていて、私も履いていたので割り込みました。
「私も履いてます!」って。
この千光寺に向かう坂走る人もいますが、ほぼほぼ歩いています。
それで、歩きながらどこで買いました?
私は「ヨドバシカメラのネットで」もう一人の男性も「ネットで」女性は「名古屋のON」でとか。
結構このONのCloudMonster履いている人多かったです。
この女性のランナーは何度か?もしかすると何度も走られているのだと思いますが、この千光寺の坂の歩き方を知っている。兎に角早歩きが速い!
私は普通に歩いている。彼女は早歩き。その早歩きが速い!
当たり前ですが、全てのランナーのふくらはぎから足首に向かう筋肉の綺麗なこと。100キロ走れるランナーは鍛え方が違いますよね。
自分の後ろ姿は見たことないけど。
何とか上りきって門まで。
そして煩悩の数108段の階段を上ります。
お坊さんが立って応援してくれています。
走って上り切りました。これで煩悩は消えたでしょうか?いやまだ煩悩ばかりです。来年も来ないと(笑)
改めてベテランのランナーにこれからのコースを聞いてみます。
ここまで上ってきたということはこれから下るのか?と。
答えは下るしそんなにきつくはないけど。長いよと・・・マジ?
ここまでくると流石にへばっている人や、椅子に腰掛けている人も。
そして何度目のトイレだろ?
何だか口が異常に乾くのです。だからエイド毎に。
給水です。エイドとエイドの間は約5キロ。間もずっと水を飲むので直ぐにトイレ。汗もそこそこはかいているのだと思うのですが、飲んでも飲んでも唇が乾く。糖尿病か?とさえ思うくらい。
どこかこの辺りで膝裏辺りにピリッときて、とにかく足が攣ったら絶対に走れなくなると思っていたので、水分補給もしてましたが、念のためにコムレケア(足攣り防止)も投入。
実はこのエイドはかなり長くいたのです。実はリュックに入れている400ミリ入るソフトフラスク以外に折りたたみができるコップも持って走り、リュックのものには水を。そしてコップはそのエイドそのエイド毎にジュースとかスポーツドリンクや麦茶を入れていたのですが。そのコップがない?
リュックヒックリ返して探しましたが、無いのです。
これです。1650円したのに。
これを無くしたお陰でこの後。リュックのフラスクにお茶を入れたり水を入れたりスポーツドリンクを入れたりしたものですから、これからは色んな味がするドリンクを飲む羽目に。
さて、それでも出発するしかありません。
そして長い下り。
これでまた足を削られます。
ウルトラマラソンはピッチ走法で、下りが強くないとタイムを狙うのはなかなか難しいと思います。やはり私下りでブレーキかけて走ってましたから。
そして平地に下りて走っていると。なんと!
宮谷橋(みやだにばし)発見!
いきなり現れたのでびっくりしました。
初めてブログをご覧になられた方、意味分からないかも知れませんが、私「宮谷」と言います。
70キロ通過。タイムは7時間50分。60キロから70キロは1時間27分。坂歩き通しましたからね。このコースをサブテンする人って本当に「神!」
次のエイドも割りと大きなエイド。つまり関門になっているようなエイドです。今回関門時間を気にすることはありませんでしたが。
第4関門通過です。
お昼を回った辺りから日差しが強くなってきてかなり暑さも感じます。
そうです掛水です。
思いっきりかけてもらいました。この時の為に用意した調光&偏光レンズのサングラスはむちゃくちゃ良くって、この時間になると日差しも強く紫外線も強いのですが、全く眩しくなく視界も広がり走るのを助けてくれました。
あまりスピードは出ないけど・・・
また胸に挿していたフラスコを左から右に変えています。最初は右にスマホを入れていたのですが、それが肋骨に当たり痛みが出てきたので左右入れ替えました。最後まで胸の痛みは消えることはありませんでした。失敗した。
本当に至れり尽くせりのエイドで。ひと口大のおにぎりに梅干しが乗っているわけですよ。これを一つまみして口の中に放り込む。有り難いエイドでした。
これはタケノコ。本当にウルトラマラソンは食べられなくなったら終わり。後半は食べられなくなると思い、ジェルを6つくらい持って走りましたが、まだこの時点では使わず。お腹の調子もばっちり!
はいお次。
はい、こちらはフグの唐揚げ。山の中なのにね。
それ何ですか?と聞くと。豚汁よ!と。
いただきま~す♪ 1キロ走るのに10秒一生懸命削ってもエイドでこの調子じゃタイムが上がるわけがありません。
そして再度トイレ。何回行くのだ?多分今回のレースで8回くらい入ったように思います。水分とりすぎか?
出したら補充。水だとかジュースだとかスポーツドリンクとか交互に入れているので、飲むと全部の味がして気持ちが悪い。
今回一番食べたのはこれかな?
だんだんとマラソンブログではなく、食べ物ブログになってきた。
再度水浴びて出発です。
この景色見て下さいよ。景色を眺めながらただ自分の一番大好きなランニングをする為だけの時間。
もしストレスかかえている人がいるとしたら、走ることを始められたらどうでしょうか?
日常生活で褒められることはほとんどない。やって当たり前、うまくやって当たり前。失敗したら叱られる。でも走っているだけで、手を叩いてくれたり、ナイスランと声をかけてくれたり、凄いね!と言ってくれたり。
極端に言えば見ず知らずの赤の他人がこの時だけは目一杯褒めてくれる。しかも勝手に走ってゴールをすれば「おめでとう!」とさえ言ってくれる。
嫌なことをしているわけではなく、好きなことをやってそれで褒めてくれる。こんな素敵な時間ってないじゃないですか?身体は辛いけど心は爽やか。そして景色にも癒やされる。みんな親切にしてくれる。
特に飛騨高山ウルトラマラソンのボランティアの皆さん。「もっと食べてって!お代わりして!」とまで言ってくれるんです。気持ちが優しくなりました。
80キロまできました、残りは20キロ。ハーフマラソンだったら90分以内で走れるのにと思いながら。まさにこの時一人で走りながら口ずさんだのはこの曲。
金沢マラソン公式応援ソング「風になれ」 Seattle Standard Cafe' 作詞/中新賢人with ゴールデンランナーズ作曲/中新賢人
ゴールデンランナーズ。チーム金港堂のことです。
なぜこの曲なのかというと。もうここまで来ると10キロ先を目指すのが辛くなり、5キロ先のエイドを目指して走っているのです。タイムというよりもあと何キロでエイドかな・・・って。
この曲の歌詞に「走り抜け 走り抜け めぐる季節を 最高な仲間と 次のエイドまで」 本当に次のエイドまで頑張るって感じでした。
そしてもう一曲。ちょっと虚しくなりますが。
若者たち。「君のゆく道は果てしなく遠い」
マジ100キロは遠い。と思いながら口ずさんで走ってました。
沿道では私設エイドも沢山あって、ランナーを励ましてくれます。
このエイドではないのですが、足もむくれてきたのか少しきつく感じてきて、靴紐を緩めたくって、クーラーボックスがあったので座っていいですか?と聞いて座らせてもらい紐を結び直しました。
その時にエアサロンパスが机の上に置いてあり、借りていいですか?とお聞きするとどうぞどうぞと。それで膝の裏辺りにエアサロンパスをかけていると、別のランナーも貸して下さいと寄ってきたのですが。
もう一つのエアサロンパスはサラのものでまだビニールがとれてなかったのを、どうぞとって使って下さいと。
まあ使ってもらう為に持って来てるのでしょうけど優しい。
そして90キロ地点に向かう「ラスボス坂」と言われる最後の坂に向かいます。
周りもほとんど走ってません。
この辺りになると走ってない者同士ですから、色んな話をします。
「ピークはどこ?」
「マップから言うと90キロじゃなくって91キロ辺り」
「ピークは2つあるらしい」
「何?」
「一旦上って下るけど、もう一度上り」
「は?」
とこんな会話とか。
この地点ではありませんが、100キロもあれば面白い話をいっぱいランナーと交わしてきました。
「どこから来られましたか?」
「栃木です?」
「あ~新幹線で名古屋から上に上がってきたのですか?」
「いや、大宮から北陸新幹線に乗って富山までそして高山まで下りてきました。」
「今日お帰りですか?」
「いや、明日有給取ったのでゆっくりと温泉入って帰ります」
「私金沢マラソンのペースランナーやるので、富山から直ぐですから金沢にもお越し下さい」
「金沢マラソンって評判いいらしいですね。」
「そうですね、評価はいいので是非。」
「でもフルマラソンですよね。ウルトラマラソンなら」
「は?」
こんな会話とか。
どんだけウルトラマラソン好きなんでしょう?
そしてようやく到着した山の中の90キロ地点。
申し訳ありません。大事に大事にアクションカメラのバッテリーを使っていたのですが、つまらないところで永遠と撮影していたみたいで90キロの手前でバッテリー切れ。
スマホもギリギリで。この90キロ通過は何とかスマホで撮影しました。
最後の山を下りようやく完走できる見込みができてきました。もうタイムなんてどうでも良くなっていますが。
95キロを通過。このあたりも少し上ってます。
さああと5キロ。この辺りから信号待ちが何度かありました。エイドを飛び出したものの信号待ちで10人くらいが溜まるわけですが、全員ストレッチ。
私思わず言いました「皆瀕死の状態ですね。人のこと言えないけど」って。笑われました。
信号が青になるといやいや走りだすランナー。
確かラスト5キロを過ぎると1キロずつにあと4キロ3キロ2キロ1キロと出てくるのですが、何だか農道の中を走っている感じで本当にあと3キロで街の中にたどり着けるのかと思います。
その時隣にいたランナーに。
「今キロ6分くらいなので、このまま行くと12時間は切れそうですね。」そう話しかけました。そうすると。
「今怪我しているのであまり無理しないです。」
「どうしたんですか?」
「肉離れなんです。今日ちゃんと完走できれば治っているかな?って」
「そうなんですか?」
「来週も走るので無理できないのです。」
「は?来週も?どこ走るのですか?」
「OSJ山中温泉トレイルレースです。」
「マジですか?30キロ?80キロ?」
「80キロ」
「このウルトラよりもきついじゃないですか・・・」
世の中変わった人が多い。
そしてラストを迎えます。
最後の直線。何だかまた上りになってます。既に1キロは切っているのに。
「最後上り?」
と叫ぶと前のランナーがコースを伝えてくれるのですが聞こえず。
そしてこの景色を見るために頑張ってきた。
この歩道橋をくぐるとゴールはもう直ぐ。
アリーナが見えてきた。
一応時計は気にします。
そして長かった旅も終わり。
最後は2時間以上待たせたタテチンに写真を撮ってもらい。
目標よりも1時間ほど遅いゴールとなりましたが、何とか完走しました。
完走後着替えてお土産買いに行って。そしてそのお土産屋さんで高山ラーメン食べたいと伝えて教えてもらったお店にGO。
ん?高山ラーメン食べに来たのだけど。
メインは焼そば?焼そば屋さんって珍しくない?絶対に美味しいって。
大盛り肉たまご焼そば。
絶対に食べられると思ったのですが、最後の一口食べられませんでした。やはりお年寄りです。お店の人に謝ってお皿を返却しました。
味は?普通の焼そばでした。
そして車に乗って帰ってきました。
これで飛騨高山ウルトラマラソン完走記。
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