こんにちは、久しぶりに服のことをブログに書いてみようと思います。
実は私、このブログではあまり「服」のことを書いていないんです。服屋なのに。
なぜかと言うと、ファッションは自由だからです。
「これが正しい」「これはダメ」と決めつけてしまうと、せっかくのおしゃれが窮屈になってしまいますよね。
さらに、言葉の選び方を間違えると、炎上することだってあります。
たとえば最近、「X(旧Twitter)」で、ある洋服屋さんが「ボタンダウンにネクタイはダサい」と投稿したら、それが大炎上。結局その投稿は削除されたそうです。...ちょっと気の毒でした(笑)
私も、過去にちょっと似た経験があります。
以前、イギリスのM社のゴム引きコートが流行ったとき、日本向けに改良された美しいシルエットのものも出てきました。
それに対して、「本来の英国製のゴム引きコートはこうだった」と、デメリットも含めてXに投稿したところ、「客が何着ようが勝手だろ」と言われてしまったんです。
その通りだな、と思いました。それ以来、服の着こなしを否定するような投稿は控えるようになりました。
ファッションは、好きなものを、好きなように楽しむのが一番ですから。
ボタンダウンとネクタイの話
ちなみに当店でも、ボタンダウンシャツも取り扱っていますし、お作りもしています。
クールビズが当たり前になってきたので、ネクタイをしないこと前提で選ばれる方も増えました。
ただ私の考えでは、ネクタイをしないならボタンダウン一択ではなく、「衿の立ち方」がきれいに見えるものを選ぶのがいいと思っています。
例えば、レギュラーカラーやセミワイドのシャツは、ネクタイをした時はきれいでも、ノーネクタイだと衿先が下がりがちなんです。
ボタンダウンはアメリカントラッドの定番なので、「ケネディ大統領もボタンダウンにネクタイしてただろう」と思って調べたら、意外とレギュラーカラーが多かったんです。
あとこの当時に使われていたシャツの芯はどんなものがあったのかは分かりませんが、衿の風合いから見ると「接着芯」ではなく「非接着芯・フラシの芯」を使っているみたいです。この当時は接着芯は無かったのかも?
今このような芯を使うと衿がよれているとか、しわくちゃだとか言われることも多いので特別リクエストがなければ、コットンの場合は「接着芯」を使って衿やカフスをパリッと仕上げます。逆にクラッシクなデザインを好まれる方はお客様の方から「非接着芯・フラシの芯」をセレクトされる場合も多いのも事実です。
ケネディ大統領の画像検索をしていると。ボタンダウンにネクタイをしめている人を見つけました。
ロバート・ケネディ・ジュニア氏、ジョン・F・ケネディ氏が伯父さんになるようです。
ボタンダウンにネクタイもそうなのですが、洋服の衿に付いているラベルにお気づきになられましたでしょうか?これはス「スロートタブ(Throat Tab)」または「チンストラップ(Chin Strap)」と呼ばれるもので。かつて防寒や風よけのために襟を立てて固定する目的でデザインされたものです。現在ではそれを使うことはなくほぼ装飾のものとなっています。恐らくは背広の起源は軍服からだと思うのでその名残もあるのだと思います。
それにしてもスーツの裏地派手ですね(笑)
当店おすすめのシャツの衿デザイン
当店では、ボタンダウン以外にも、いろんな衿のシャツをご用意しています。
・ワイドカラー
・ホリゾンタルワイドカラー
更に衿の開きが広く衿の長さが長くなったホリゾンタルワイドカラー。この衿の場合は開きがかなり広いので、ネクタイの結び目もセミウィンザーノットやウインザーノット。またネクタイも流行があり芯が厚くなった時、またネクタイの巾が広い時はこれくらいの開きのものが流行するようです。
・カッタウェイカラー
かなり開きが広く、イタリアのカジュアルシャツなどはこの衿のデザインが多いです。ネクタイをしめられないことはありませんが、結び目の横からもネクタイが見えてしまいます。ノーネクタイのみでご着用の場合はこの衿もお勧めしています。
・クラッシコワイドカラー
ホリゾンタルワイドカラーの衿羽根の長さを9センチから7.5センチに変更した衿のデザインです。現在のネクタイの巾は8.0センチから8.5センチ、ネクタイの芯もそこまで厚いものを使用していないので、これくらいの衿の長さや開きで収まりそうです。
自撮りの写真ですかも傾いていて申し訳ありませんが、これがクラッシコワイドです。ボタンの位置は通常衿台より5.5センチのところですが、少し低く7.0センチの所にボタンを付けてすこし開きを広くしています。
この衿であればネクタイも着用できます。
ノーネクタイで着る場合は、衿の立ち方が大事。
ネクタイなしでもきれいに衿が立つものを選ぶと、だらしなく見えず、ぐっと大人っぽくなります。
最後にちょっとしたエピソード
昨日ジムの若いインストラクターとの会話。
「お洒落ですね!」
私:「実は服屋なんですよ」
「走ってる人かと思ってました」
私:「いやいや、そんなわけない」
「それ、古着ですか?」
......愕然。
私が着ていたのは、フランス製のナイロン製のピーコート、スコットランド製ジョンストンズのストール、イタリアのギ・ローバーのベルベットのジャケット、インナーは当店のオーダーシャツ。
まあ、見た目は古着っぽく見えたんでしょうね(笑)
一応説明はしましたけど、ちゃんと伝わったかは分かりません。
おわりに
久しぶりに、服のこと、特にシャツのことをたくさん書いてしまいました。
やっぱり服のことを書くのは難しいけど、好きだからこそ伝えたくなるんですよね。
もしシャツや衿のことで気になることがあれば、ぜひ気軽にご来店を、勿論メールでも承っています。

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